Missing Piece〜抱えきれぬ想い〜写真館


 鬼塚警部に詰め寄る石川朋香。

朋香 「本当にあの事故と窃盗事件が結び付くんですか?警察は事故で調べていましたよね?それに姉は病院で亡くなったんですよ? さっ…殺人だなんて、計画的犯罪だなんて本当に言えるんですか?」

鬼塚 「真実を知りたいか…。君達のお父さんの口癖だったな。先輩は正義感の塊のような人だった。朋香くん、俺の刑事としての勘だが…あの男は何かを隠している。犯罪を行なう人間の心理に詳しい人物がいる。…俺一人より朋香くんが一緒の方が話が早いかも知れん。一緒に来てくれ」


『西本法律事務所分室クリミナル リサーチ オフィス』へ
石川朋香が依頼人として、鬼塚警部に連れられてやって来た。

元科学警察研究所にいた所長の西本由騎と佐久間真知が対応する。


西本 「【被害者・石川唯香とバイクを二人乗りしていた所、飛び出して来た人影を避けようとして転倒。被告人と被害者は道路に投げ出される。居合わせた通行人の119番通報により救急車で搬送。被告人は骨折。被害者は搬送先の病院で死亡。被告人と被害者は恋人同士で有り、この事は被害者の妹・石川朋香さんの証言でも明らかである。】と、ここまでは当初事故で処理されたわけですね?」 」

「そうです。」

西本 「葬儀を終え、本来あるはずのお姉さんのキャッシュカードが見あたらない事に気が付き、銀行に紛失届けを出した。届が受理される以前に引き出されている事が判明し、父親が元警察官である事から鬼塚警部に相談したわけですね。」

鬼塚 「現金が引き落とされた時間を調べた。限度額の問題で一度に下ろせなかったんでしょうな。あちこちのコンビニで引き落とされたことがわかり、テープを入手して中身をチェックした。目を疑いましたよ。」  



西本 「そのカメラには唯香さんと一緒に事故にあったはずの男が映し出されていた。」
鬼塚「西本さん、ぜひあなたの意見を伺いたい。佐久間、もちろんお前の意見もだ。
西本さん、わざわざここに話を持って来たんだ。まだ話をしていないあんたが興味を持つネタはある。」




真知と朋香は奥の部屋へ移る。西本と鬼塚警部が残る。


鬼塚「科警研を辞めたのも、大学助教授をしながら個人規模の研究を選んだ一番の理由は、本当は佐久間だったんじゃないんですか?
半年近く入退院を繰り返していた佐久間の為に、復帰後の職場を用意するなんて芸当は、普通金持ちの道楽だけで出来る事じゃない。
西本さん、あんたが一番研究したいのは、本当は佐久間自身なんだろ?」




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